【日々】謳う建築

先日、天王洲にあるWHATで開催されている「謳う建築」展を観ました。

展覧会場で頂ける解説冊子には展示の説明がこのように書かれています。

「住まい向き合い続けた建築家が生み出した住空間をとりあげ、
実際にその住まいを文芸家や詩人の方が訪ね体験し、詩で謳う試みです」

展示を観て、その方法や企画そのものにとても驚きながらも大きく共感をしました。それは、私が建築を考える時、またつくる時に情緒的な要素を建築空間に織り混ぜたいと常に意識をしてきたからです。これまで手掛けた建築の全てで実現できている訳ではありませんが、常に意識をしてきました。いつか私が設計した空間に詩人や歌人の方を招いて詩を詠んで頂けたらどんなに素晴らしいかと夢想していました。それが、この展覧会では実現されていました。おこがましくも、私と似た事を考えている方がいることにとても嬉しくなりました。更に多くの方がご覧になる展覧会というカタチで表現されていることに喜びを感じました。個人的にはツボに入る本当に素晴らしい展覧会でした。

展示の構成は詩(または言葉あるいは脚本)と映像がメインで、個別に模型があったり図面やスケッチがありました。詩と映像の組み合わせで建築空間を語るというのが企画の肝だ思います。建築を表現する際、何ともことばにしづらい雰囲気を語る時に「空気感」という言葉を使うことがあります。抽象的なことばなので伝わるような上手く伝わっていないような曖昧さがあります。この展示はまさにこの「空気感」を具体的に表現しているところが素晴らしく共感をしました。

建築を成り立たせている要素には現実的な空間の他にも音や視覚情報や匂いなどの五感的な要素もありますし、時間も大きく関わっています。この五感や時間という目に見えないことを上手く伝えてくれるものが詩であり映像なのだと思います。

展覧会を観た後も反芻しながら余韻を楽しむことができる印象に残る展覧会でした。5月末まで開催しているので機会があれば是非ご覧ください。おすすめします!